Result第一回大会 大会結果

あいさつ

今回、初めての試みとして、学生設計コンペティションを致しました。
多くの学生の皆様に参加いただき、ありがとうございました。
2次審査のプレゼンテーションでは、課題用地の土地柄や、予想される災害を考慮しつつ、100年という月日を想像し、何を大切にし、何を残していくのか、真剣に検討し、課題に向き合っていただいたことがよくわかる作品ばかりでした。
特に核家族化が進み、ネット依存が問題視されるようになり、人と人との結びつきが希薄になった昨今ですが、この分譲住宅のプレゼンテーションでは、動線や目線を大切にし、人と自然をいかに繋げていくかを考えていただいた作品が多く見受けられました。
人とのかかわりが大切だということをよくわかっている若い人がたくさんいることがわかり、安堵感も受け、心に残るコンペティションとなりました。
最後になりましたが、審査員として参加いただいた加茂先生、吉村先生をはじめ、ご協力いただきました皆様に感謝いたします。

野呂 新吾【アサヒグローバル株式会社 代表取締役】

大賞

受賞者:伊阪 遼 共同制作者:片岡 裕貴

名古屋大学大学院 環境学研究科 都市環境学専攻 太幡英亮研究室 1年生

大賞について

“木を主とする住まい”とタイトルこそ素朴だが、100年後の樹木の枝振りを想定して住宅を配置するという斬新な発想のもと、ボロノイ線による境界と領域、樹木を愛でるべく置かれたRC造のベースに、環境や暮らしに馴染み変化する木造部分が重なる住宅構成が、巧みに、緩やかに、つながりと変化を受容するものとなっている。若干、住まいの痕跡を残して森に還るというエンディングはナイーブすぎると思ったのだが、敢えてシンプルで美しいイメージとしてすることで、大きな木の下の多様な住まい方を見る側に勝手に想像させる様に仕組まれていることにも気づかされた。大賞受賞、おめでとうございます。

加茂 紀和子【㈱みかんぐみ 代表 名古屋工業大学教授】

優秀賞(順不同)

受賞者:大石 理奈

名古屋工業大学 工学部 建築・デザイン学科 4年生

受賞者:神谷 将大 共同制作者:岡本 有輝

東北大学大学院 都市・建築学専攻 1年生

受賞者:七野 太亮 共同制作者:森 健佑 / 黒岩 祐也

大阪芸術大学 通信教育学部 建築学科 3年生

審査員特別賞

受賞者:河合 伸昴

慶應義塾大学大学院 環境研究科 開放環境科学専攻 2年生

アサヒグローバル賞

受賞者:遠山 正一郎 共同制作者:小池 奨

首都大学東京大学院 都市環境科学科 建築学域 1年生

アサヒグローバル賞について

【アサヒグローバル賞】に決まりました【ツギスマウイエ】では外側に車道を、中央に共用通路を配置した歩車道分離としたことで、通路を歩いてきた人と住民とが触れ合えるコミュニケーションの空間ができ、境目のない開かれた配置となっていました。
そして、津波を想定し、シェルターとしての役割も持つ耐久性のあるRC造のコア部分を残しつつ、暮らしに合わせて、増築・減築し、その土地に住み続けるといった計画は、思い出も残しながら、新しいニーズに沿って行く素晴らしい提案でした。

野呂 新吾【アサヒグローバル株式会社 代表取締役】

入選

受賞者:伊阪 遼

名古屋大学大学院 環境学研究科 都市環境学専攻 太幡英亮研究室 1年生

佳作(順不同)

名前をクリックで作品を閲覧できます。

受賞者:浅井 英光 共同制作者:平賀 美希 / サカエ ガブリエル ツヨシ

愛知産業大学 造形学部 建築学科 4年生

受賞者:荒木 俊輔 共同制作者:原 良輔

九州大学 工学部 建築学科 4年生

受賞者:池田 京史 共同制作者:岡野 春咲

千葉大学 工学部 建築学科 3年生

受賞者:菰池 拓真 共同制作者:日高 理紗子

京都工芸繊維大学 工芸科学部造形科 学域デザイン・建築学課程 3年生

受賞者:根本 飛鳥 共同制作者:武藤 駿

千葉工業大学大学院 工学研究科 建築都市環境学専攻 1年生

審査員講評

加茂 紀和子【㈱みかんぐみ 代表 名古屋工業大学教授】

100年先も生き続ける住宅というのに加えて、3年以内に分譲される戸建住宅とする設計条件は学生達を悩ませたと思う。それ故、提案の多くは現実を逸脱するような無邪気な未来予想図ではなく、市街化がすすむ地方都市の一画に住まうリアリティと物語性を持ったものとなった。それらには多様な家族のライフデザインというよりも、「共有(シェア)」や「コミュニティ」という様々な繋がりをもたらすしくみが描かれ、具体的には敷地の分割方法や境界の作り方、共有形式や住まい方のプログラムが示されていた。
1次審査は1画面での判断であるため、必然的にコンセプトが明解で表現力のあるものが選出された。そして2次審査に臨んだ全ての学生達は、提案に説得力を加える大きな模型を携えて、自信を持ったプレゼンテーションを行ってくれた。もう少し質疑応答の時間が必要だったという反省点はあるけれど、彼らの真剣さにこちらも熱くなった時間だった。各賞を決めるのはなかなか難しかったのだが、審査員側の想像力を膨らませ、その魅力をスーッと浸透させる力があった案が大賞となり、主催者側も事業へと展開可能であると評価した実現性の高い3案が優秀賞となった。このコンペに参加した全ての学生達の健闘を称賛するとともに、審査員という機会をいただいたことを感謝したい。

吉村 靖孝【建築家 ㈱吉村靖孝建築設計事務所 代表 早稲田大学理工学術院教授】

住宅地のミニ開発を考える大変興味深い課題でした。
上位入賞者はいずれも、従来の建売りや商品化住宅に足りなかったものが何か真摯に考え、売り物としてパッケージ化された「商品」ではなく、時間の経過や住み手の意志による変化を肯定的に受け止めた提案をしていたのが印象的でした。
今後さらに、東海地方ならではの気候・産業・歴史と結びついた提案へと育っていくことを期待しています。

廣田 圭一郎【AGGホールディングス株式会社 代表取締役社長】

100年先も生き続けるライフデザイン住宅というテーマを考える。
わずか1年や3年で考えもしなかったような技術が当たり前のように日常に取り入れられるほど技術の発展がめざましい昨今の状況からみても100年先を想像することが難しかったと思います。
そのような難題に対し学生の皆さんが真剣に考えそれぞれの100年先の提案を聞くことができ、とても新鮮でその発想の豊かさに驚きました。その中でもやはり多く提案されたのは人と人との関りについて、昨今の状況から推察されるいくつもの未来が見えたと感じます。
学生のプレゼンテーションについても推敲・練習を重ねられたのだろうと思わせるほどとても魅力的な内容が多く、1日に約40件のプレゼンテーションを聞きましたが、そのどれもが面白く興味を引くものでした。
自分の日頃の仕事からは発想されないアイデアをたくさん見聞きすることができとても充実した一日となりました。
今回コンペに参加された学生の皆さんのありがとうございました。これからのご活躍とご健勝をお祈りいたします。

永井 浩介【アサヒグローバル株式会社 執行役員 設計部長】

今回のコンペでは100年先も生き続ける住宅というテーマに対して、学生達は自分の意見や考え学んだ知識を詰め込んだプレゼンテーションを行って頂きました。
テーマが難しいとは思っておりましたが、皆さんの発想と想像力は私が思っているようも一つ先を見た住宅計画で、たくさんの新しい刺激を感じる事ができました。
その内容としては、未来の住宅・個性がある建物・100年先の状況を感じる建物等が多く提案されておりました。
又、商品のような模型は、平面図・立面図のイメージを沸き立たせるような力が入った作品も多く見ることができました。
特徴的だったのが、人々の繋がりを多くの学生達が住居の建設に結び付けて提案されたことでした。現在の社会から考えると人との繋がりをSNSやインターネット上で完結するようなイメージでしたが、全く違いました。
大変新鮮で多くの提案を見る機会を頂いた事に感謝します。
学生の皆さんのこれからのご活躍とご健勝をお祈りいたします。